UP DATE : 2004-10-20
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A < 現場実務関係 >


( 林  信秋のギター製作学校 )






★現在ON NETは@Hのみです。ご 了承下さい。

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@●木材乾燥、選定.管理 A●汎用機械の使い方  B●伝統木工具の使い方 C●治具製作 D●木材加工  E●金属加工 F●金属材料  G●プラスチック加工 H●塗装  I●組み立て J●修理法 K●工具製作  L●機械製作(手動機、自動機 ) M●機械修理  N●刃物製作、研磨 O●空気圧機器  P●油圧機器


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★★★★★★★★★★★★★★@ 現場実務関係 木材乾燥選定管理 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

UP DATE : 2004-09-01



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A−@< 現場実務関係 木材乾燥選定管理 >

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このPAGEでは木材乾燥選定管理に関することについてお話させていただきます。 TOP
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●木材の乾燥

■先ず木の伐採について、一般的には立ち木が水を吸い上げることを休む冬場におこなわれる。活動をしている最中の木は水分で重く、 落葉樹の場合、葉が茂っていたりで、作業がしにくく運搬には適さないといえる。また、冬場は運搬時に雪を利用して 木材を滑らせて運搬できるという都合のいいこともある。ただし、豪雪時は難しいといえる。その昔、木曾では木曽馬が雪の中で大活躍した時代もあった。現代では、ブルトーザーなどが馬の代わりに活躍している。

■伐採された木は皮を剥ぎ、丸太のまま貯木場に野積みされる。ここでは材木業者の入札がが行われる。ベテランはこの時点 で材の中身がどんなであるか、たとえば、特殊な美しい木目のものとか、見分ける眼を持っている。それはちょうどマグロの尻尾の切り口 をみて、美味しいトロや赤みの状態を判断する漁業市場の買い付け人のようでもある。物事を熱心に探求していくと、人間は大変な能力 を身につけるものものだと感心してしまう。その後、丸太は製材され、天然乾燥 に入るが、いきなり乾燥に入ると材の表面にひ干割れが出来るので直射日光を避けた場所で放置される。穏やかに、 徐徐に乾燥していくので材の為にはよいといえる。天然乾燥の期間はまちまちだが、最低でも半年から1年は必要とそされている。 厚い材ほど時間はかかる。しかし、最近では資金が長期間眠ること言う理由から、北米では天然乾燥のかわりとして、 いきなり、製材した材を、大きな倉庫の中で、巨大な扇風機で乾燥してしまう方法も取っている様だ。しかし、天然乾燥に時間をかけた 材にはかなわない。

■その昔、学生の頃、修学旅行で、奈良や京都の古い寺院や歴史史跡を見学に行った事を思い出す。よく1000年もの長い間、 風雪に耐えたと感心したものだ。寺院の形をよく見るとすぐにわかるような歪みは殆ど見受けられない。補修工事がされたのかもしれないが、 基礎がしっかり出来ているということだと思うが、それと同時に乾燥した、しかも強度的にもしっかりした木材を使って建てたが故と思う。 そして、木というものは管理さえよければ何百年でも、そして1000年以上だって持つということだ。 風雪に耐えた木材は収縮、膨張の木の動きが止まって、梅雨時でも殆ど狂いが見られないようだ。 このように収縮、膨張がだんだん無くなっていくことをヒステリシス現象と呼んでいる。このことから、木は一定の安定した、 変化の少ない環境で過ごしたものより、過酷な気象変化の大きいところで過ごしたものの方がいい材になるといえる。 人間も温室育ちより、山、谷の試練を幾つも乗り越えて、苦労を重ねてきた人の方が精神的にも強く、人情味溢れる人間性の持ち主のようだ。

■右上の写真は製材したばかりの生に近い板に、赤線でGUITARのBODY ラインを描いて1年間放置して、その後人工乾燥した。 そして元の絵の上にもう一度同じ型板で黒の破線でラインを引いてみた。この写真から、木が如何に収縮するかということがわかると同時に、 縦方向より、横方向に収縮が激しいことがわかる。これはあまり見れない、とても貴重な資料だ。材は栃の一枚板。

続きます。








★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ H 現場実務関係 汎用機械の使い方 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

UP DATE : 2005-00-00



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A−A< 現場実務関係 汎用機械の使い方 >

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このPAGEでは汎用機械の使い方に関するお話させていただきます。
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★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ AーB 現場実務関係 伝統木工具の使い方 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

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A−B< 現場実務関係 伝統木工具の使い方 >

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★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ A−H 現場実務関係  塗 装 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

UP DATE : 2004-10-20



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A−H< 現場実務関係 塗装 >

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このPAGEでは塗装に関することについてお話させていただきます。
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  @塗料の種類
  A塗装の方法(工程)
  B塗装面の手入れ
  C塗装環境の安全対策
  D今後の問題



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  先ず最初に
塗装は何故するのでしょう。( 最終加筆 03年 10月  30日 )

  市場にある楽器の殆どが表面に何らかの塗料による塗装がされていますね。何故でしょう。ちょっと考えてみたいと思います。 その理由が分かればおのずと方法も考えられ、工夫することが出来ますね。もし塗装がしてなかったら如何でしょう。このように別の 角度から推測することはとても有効な方法と思います。塗装がして無いと★ @汚れますよね。そして不快な気分になりませんか。 ★ A湿気の多い日本では楽器に水分が入ってしまいますね。楽器は例外なく枯れた、乾いたものほどいい音がすることは皆さんも ご存知ですよね。湿度計のついたCASEで楽器を持ち運びしている人がいるくらいですから、湿度管理はとても大事なことなのです。 ★ B自分の好みの色の楽器が欲しいという人が」殆どでしょね。楽器を色々な色にしたいというのも塗装の理由の一つでしょうね。 ★C 艶はあった方がいい、いや無い方がいいと人々の好みは色々ですね。★ D感触はザラザラがいい、スベスベがいいとこれも 色々なんですね。作る人もたいへんですが、選ぶ人もはっきりした思いを持たない人は決めるのに一苦労ですね。

話は飛躍しますが、統制社会では国中がみんな同じ色の服を着ていました。今でも規律を重んじる組織ではこのようになってます。 そのような環境ではGUITARでしたら1〜2種類の色しか認められないかもしれませんね。管理する側としては実に効率がいいと思います。 反対に使う側としてはつまらないし、それでは個性豊かなMUSICも生まれないという訳です。ただし、これら種類の多い、少ないは全て COSTに関係してくることを忘れてはなりません。誰もが持っているようなGUITARは大量生産品で手ごろな値段と思いますが、自分だけの CUSTOM MADEはとても高価なものになりますね。塗装の種類の多い事には驚きますが、日本はGUITARのMODELの多さでは世界一でしょうね。 人々の好みが色々ということだと思いますが、個々の要望を汲み上げる、それが多機種少量生産の仕組みを作り上げました。MAKERも1本でも 多く販売したい、などの気持ちが重なっています。COSTについて納得のいかない気持ちをお持ちの方も沢山いると思いますが、それは 突き詰めると消費者、MAKER双方に原因があると言わざるを得ません。益々、時世を反映して、販売競争は激しくなるでしょう。どういう ことで商品を選択するかは人それぞれです。
★ Fあと音響調整効果があります。塗装を施すことにより音がマイルドになったり、FILTER役として、発音に混ざっている 有害な雑音を除去する働きもあります。特に生GUITARではこのことが有効と考えられております。
それではまとめてみます。
  
★ 上記のまとめ ★

  @汚れ防止  A外気を遮断(防湿)  B色調要求の多様  C表面艶要求の多様 (BRIGHT、MAT)
  D表面の感触。 E防錆(金属類はさび止め)、変色防止 F音響調整効果

以上のようなことが塗装をする理由として考えられます。




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( 最終加筆  03年 10月  30日 )

 
 @塗料の種類


 

楽器によく使われる塗料●ポリウレタン、 ●ポリエステル、 ●ラッカー、●OIL、 ●天然樹脂(うるし)、  ●ニス 等。


  20世紀は化学の時代とも言われ、化学物質がたくさん作られました。今まで地球上に存在していなかったようなもの、自然界には なかったようなものが人間の力で次々と生み出されてきました。その中にこれからお話する塗料もあります。それにより、人々の生活様式 までが大変革したのです。それは人々を幸せにした反面、色んな不幸を招くことにもなってしまったのです。詳しくは安全、環境PAGEにて お話させていただきます。人々には木製品が水気に弱く何とかしたいと言う思いがあり、そこで漆、つまり天然樹脂塗料なるものが発明(発見) されました。その素晴らしさは今も越える人工樹脂塗料は無いといわれております。この塗料はすばらしい反面、取り扱いは難しく、極々 限られた職人世界のものでした。後は●天然樹脂(うるし)の項にて。



 ★ ポリ、ポリってよく言うけどポリって何?  ★

塗料の種類についてお話させていただきます。その前によく日常生活でもポリと言う言葉を耳にしませんか。ポリ袋とか、ポリ容器とか、そのポリについて塗料のお話に関係あるので述べさせていただきます。このポリというのは高分子化合物、つまりプラスチクスのことなのです。★ポリマーという人もおります。化学の方でよく使う分子記号(通称亀の子)で分子構造が連なった形のものを概ねポリなんとかと言うようですよ。それではポリなんとかと付くものを上げてみてください。私も知っているものを上げてみたい思います。@ポリエチレン(食器、パック、医療容器などに使います。) Aポリエステル( 衣料、繊維 ) Bポリプロピレン ( 梱包に使うPPバンドのことです。)Cポリ塩化ビフェニール、(電気絶縁などに使われていたP  C B )Dポリカーボネート( 機動隊、警察官が使う盾、パトライトのカバーなど耐衝撃性の高いものなどに使います。) Eポリエチレンテレフタレート( つまりPET ボトル )Fポリウレタン Gポリスチレン(家電製品 、OA機器の外装SHELL )。 こんなところでしょうか。随分あるものですね。
このポリと名の付くもので塗料によくつかわれるものはポリエステル、ポリウレタンでしょうね。
★ポリマーは重合が済んで固体化したもの(人間で言えば結ぶ相手が見つかり結婚して、身を固めた人かな。)を言いますが,硬化していない液状のものを モノマー(人間で言えば身を固めていない独身者ですね、SINGLE,CHONGA 。 )と言います。




  @塗料の種類 (1/6)

ポリウレタン塗料

  この塗料が出来て、はや40数年以上になります。それまでの塗料では不都合を感じている人が沢山いたので、このような塗料が出現したと考えられます。この塗料はA液とB液を混合させ、重合硬化させる2液性のものと、1液性のものがあります。楽器では主に2液性のものが使われております。ラッカーのように溶剤であるシンナーを揮発させて硬化させるものとは異なります。最近、水性のものもあるようです。粘度調整にはウレタンシンナーを使いますが、ラッカー用のシンナーも使えます。硬化までの時間(キュアータイム)が短く、生産性がよいものとして、量産工場で多用されております。大別して、下塗り用(ウッドシーラー)、中塗り用(サンディングシーラー)、上塗り(トップコート用)とになります。( 女性のお化粧に似たところがありますね。この方は詳しくはありませんが。)最近、中塗り用で硬いものが出てきまして、トップコートを使わず、中塗り塗料で仕上げる方法もなされているようです。 塗膜の硬さはラッカーに比べて硬いですが、次に説明いたしますポリエステルより柔らかいです。トップコートは透明感があり、カラーものの発色性に富んでいます。塗膜の肉付きはラッカーより良好ですがポリエステルより落ちます。このことから量産工場では、アコースティック系のものに多く使われております。急いで重ね塗りをしますと、泡が立ちやすく、熟練を要します。重合の時に発ガン性のイソシアネート ガスが発生します。体質に合わない人は、喘息、皮膚炎などアレルギー症状をひきおこします。硬化剤は特に空気に反応し固まりやすく、長期の保存は出来ません。管理に注意が必要です。ATLANSIAでは日頃はこのポリウレタンを主体に塗装をしております。(中断、続く)





  @塗料の種類 (2/6)

ポリエステル塗料

  この塗料は主剤に対し硬化剤(エチルメチルケトン パーオキサイド )(商品名カヤメックとかパーメックなどがある)、硬化促進剤( ナフテン酸コバルト)を触媒としてを使います。 危険性がある劇薬なので取り扱いは厳重にしなければなりません。この塗料が出始めた頃、硬化時間が短く、画期的でしたが、反面、取り扱いが難しく、研磨の時出る塗料の粉が発火して、火災騒ぎが時々ありました。現在のものも、使用者は研磨粉を頻繁に、処理しております。この塗料は厚塗りをして内部のWAX分を塗膜面に浮上させて、空気を遮断して硬化させる組成になっております。厚く塗られた塗膜を機械研磨( ベルトサンダー等 )にて削り落とします。この時、平面性を出すことにより、バフがけでピカッとした艶が出来ます。ピアノやエレキのBODY塗装に非常に向いているといえます。塗膜が硬く、厚塗りが出来ることから、量産工場向きの塗料といえます。硬化促進剤のコバルトが紫色で、この影響により透明性が落ちる為、白系統のトップコートとしては難があります。老化と共に濁った青味が出てきます。一般の小規模GUITAR工房では殆ど使用されておりません。私も現在は使用しておりません。(中断、続く)



★厚塗りとか、肉付きがいいという言葉が何回か出てきますが、本来塗膜は音響面からも薄い方がいいのですが、ポリエステル、ポリウレタン塗料は厚塗りをして、研磨で平面性を出すという狙いがあります。この時の研磨により、厚く塗った塗膜はある程薄くなります。ラッカーも歪みのない、綺麗な平面性のある艶を出すには何回も塗りますので狙いは同じといえます。




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( 最終加筆 2004-10/20 )

  @塗料の種類 (3/6)

●ラッカー



<

ラッカーがいいってよく聞くけどどうして?
そう、私はよくこの質問を受けるんです。一口では説明出来ないのです。 先ず@音響面  A感触とかのフィーリング面 B素材の耐候性,耐久性 C作業性 DMAKERの生産性 ECOST、 等色んな面から考える必要があると思います。 この面はいいけどこの面はいまいちとかがあるので返答に困ってしまうんです。


 ●ラッカーの問題点 それから20世紀に入ってから、ラッカーが出現するようになりました。これは●硝化綿● なるもで、木製品に多く用いられるようになりました。楽器にも沢山使われました。OLD GUITARと称するものの殆どに この塗料が使われています。私は以前ミシンのキャビネット工場に勤務しておりましたが,そのとき使われていたのは このラッカーでした。乾かすのにとても時間がかかりました。CORTINGされたキャビネットの部板は天井近い頭上を 1週間から10日ぐらいハンガーで移動した後サンドPAPERがけのの工程に入るのです。乾きが悪いのでプールしておく スペースは沢山要りました。@乾燥時間がかかること、A量産の場合、スペースを沢山必要とすること  B製品納期がかかること C塗装膜が弱く、傷つきやすいことなどから新しい化学のものに代えられて行く 運命になったのです。以後、“ミシンキャビネットはやっぱりラッカーじゃなくちゃー”という声を耳にしたことはありませんでした。 この点はGUITARの世界と違います。

★@一部速乾のものがあるようですが、楽器用では見かけません。@、A、Bは関連しています。

●硝化綿●とは、コットンリンターや木材パルプ等のセルロース原料を硫酸と硝酸の混液で処理して製造するセルロース誘導体 の一種です。窒素含有量の高いものは火薬の材料の一部として使用されますが、窒素含有量の低い工業用硝化綿はユニークな 工業用材料として幅広い用途で使用されてきました。 工業用硝化綿は各種セルロース誘導体の中では高い塗膜強度、表面硬度を有しており、乾燥性や顔料分散性にも優れることから、 主として塗料やインキの材料として使用されてきました。国内市場ではこの2分野向けが全需要の8割を占めていますが、 この他にもマニキュアなどの化粧品原料や磁気テープ/カードの磁性塗料原料など幅広い用途に使用されています。 ( 旭化成株式会社 )




ラッカーが一番楽器にいいと言う記事を時々見かけます。その背景や疑問点を考えてみたいと思います。

★米国ではラッカー以外、規制が厳しく、許可にならないとも言われております。となるとラッカーが一番良くなければ困りますね。(米国産のは日本のものと比べ、サラサラの低粘度で、肉ずき性はあまりありません。)

★ガレージ MAKER(この表現は差別的であまり好きにはなれませんが)はこぞってラッカーがいいといいます。また。ラッカーをいいと言う人で、ポリエステルや、ポリウレタンなど色々使った経験を持っている人は少ないというか居ないに等しいことです(MAKERのお話、特殊な入手経路等から判断)。ラッカーがいいと結論つけをするにはやはり色々使って、総合比較を論じて欲しいと思います。

★ラッカーの厚塗りとその他の塗料のうす塗りではどちらが音響面でよいのでしょう。私の場合、ラッカーのスプレイは5回からなんと15回くらいします。厚塗りを必要とする場合も有るのです。仮に、塗料がいいとしても塗装の方法や上がった状態は問題にならないものなのでしょうか。

★ラッカーは塗膜が柔らかいから音響的にいいと言うことであれば、どの位柔らかければよいのでしょうか。ゴムのように柔らかな塗料だってあります。柔らかいとミュートがかかってしまいます。この辺のところは曖昧なんです。ラッカーは経年変化で、どんどん硬くなり、そのうちに塗膜にクラックが入ってしまいます。これは明らかに老化現象で、 硬度3H〜4H位?の硬さになるようです。それでも音響的によいのでしょうか、それとも、この硬化進行現象は益々音響的に良いのでしょうか。柔らかいから音響的にいいと言うことであれば、明らかに、ある期間でいい時は終わりと言うことにならないでしょうか。

★ヴァイオリンはニスを使います。同じ弦楽器のGUITARは何故ニスが一般化していないのでしょう。ヴァイオリンは何故ラッカーを使わないのでしょう。

★ラッカーが一番いいとしたら、どうして塗料MAKERは研究費をつぎ込み新しい塗料を開発し、次々と新製品を世に出して来るのでしょう。ラッカーが一番いいとしたら、その必要は無いような気がしますが。

こうして考えると疑問は尽きませんませんね。

ラッカーがいいと言う理由の整理★GUITAR を作る立場の人は、塗料が入手し易いこととか、★作業が簡単で、密閉さえ良ければ何年も★保存できるから等ではないでしょうか。( ポリウレタン、ポリエステルはそうは行きません。小口の入手は難しいですし、扱いは主剤,硬化剤、硬化促進剤などの配合作業があり、取り扱いが面倒で、複雑です、あまり保存性はよくありません。気がついたら固まっていたなどのことは時々あります。)それから、★音響的にいいと言われていること。( 権威ある実験DATAをみたことはありませんし、40年もGUITARの仕事に携わっていて恥ずかしいことですが私自身、厳密な実験をしたことはありません。)それから★補修性がいいことも有ります。部分修正などとてもしやすいです。これはポリエステル、ポリウレタンより勝っています。最後に★FEELINGといいますか、感覚的な面でしょうか。色々理屈無しで、僕はなんとなくラッカーの艶や、感触がいいんだ,ほっといて欲しい。という人も居るでしょうね。



私の結論。ラッカーを前時代のものと軽視はしません。扱いやすいし、 色々理屈っぽいことも言わなくても評価が定着しているので、説明無しですみます。しかし、 音響的に良いという確証には至っておりません。今後も、使い方を工夫してまいりたいと思います。 NET受講の皆様も巾広い知識を持って判断することを望みます。都合よく書かれた記事などには惑わされないことです。 そして、素朴に疑問を持ち続けることが大切と 考えます。何時も心にどうして?という気持ちを持っていてください。

★(2004-10/20記)この硝化綿ラッカーは米国で使用が禁止になったと最近聞きました。 その理由は、成分である硝化綿が発ガン物質のようです。そうなりますとラッカーがいいなどと言えなくなるでしょう。 ただし、トルエンを使用しないアクリルラッカーなるものが出現し、それに代わっているようです。

ラッカーについてはここで一先ず終了です。

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  @塗料の種類(4/6)

  ● オイル OIL (1/3)★ペネトレーティング OIL( デュポン社 )★( 化学製品 )

  家具や楽器の表面保護に使われるこれらのものには純粋に天然のもの、化学的なもの、その中間のものなどが あります。皆さんはDUPONT(デュポン)という会社の名前を耳にしたことがあるかと思います。この会社から 化学のものでペネトレーティング OILというのが発売されておりました。とても歴史の古い会社でして、その創成期は ナポレオン時代に遡ります。名前からしても、もともとはフランスの会社で、ナポレオン時代に火薬を作って富をなして、 会社の基盤が作られたと言われています。現在ではそのBUSINESS NETは世界中に張巡らされ、化学製品を主体とした、 正に世界規模の会社です。
  そこで作られていたこのOILはとても優れていて、家具MAKERなどに広く使われていました。しかし、 中に含まれるある物質を生成して取り出すと、恐ろしい化学兵器になることから生産が中止になってしまったのです。 今は希少な在庫品を入手するしか方法がなくなりました。このOILの浸透性はいまいちですが、塗り重ねることにより、 厚い塗膜を形成いたします。スプレイガンにての塗装も可能です。木材に深く浸透させたい場合は真空釜に製品を入れ 脱泡し、OILにディッピングしますと深く液が入ります。もっと強力に含芯したい場合はOILに浸して加圧します。 ただし、このOILは空気中の酸素に反応し硬化しますので、深く入ったものはなかな硬化してくれません。 経験的に圧力のかけ方を工夫する必要があります。   塗膜はかなり硬くなりますので、#600、〜#1500のサンドペーパーで研磨を段階的にかけて、最後にバフ仕上げをしますと しっとりとした優しい光沢になります。私は自分の食卓TABLEにもこのOILを塗り、10年ほど観察してきました。使っていると とても愛着が湧いてきます。GUITARを作っていて良し悪しが直ぐ分かることもありますが、塗料の場合は経年変化などを 観察しなくてはなりません。一つの塗料の良し悪しが分かるには長い月日がかかるものです。そんなに長い間、結論の 出るのを待っているわけにはいきません。ですから、既に、評価の出ているものを選ぶということになるでしょう。(2004-04/12)


  ● オイル OIL (2/3)★   ★( 天然 )

■オイルフィニッシュ
 北欧のチーク材の仕上げ法が、外国材の導入と共に伝来したといわれているもので、わが国に於いても、 これとよく似た仕上げ法として、東北地方や北陸地方などのケヤキの油ぶきや、ハケ洗い漆による油の塗り込みなどが 建物の塗装には古くから用いられてきたそうです。また、高級品の仕上げとして、昔からビワなどの楽器や座卓などの仕上げに、 拭き漆仕上げがあります。オイル仕上げもこれとほぼ同様のもので、乾性油を木材の導管に浸透させ、乾燥させることによって、 素材の美しさと耐久性の向上を図ろうというものです。主な原料として、亜麻仁油や、桐油を中心としたボイル油を用い、 これに油溶性石炭酸、その他の合成油脂、または天然油脂を配合したものをシンナーで溶解したもので、 一種の油性ワニスを薄めたようなものと考えられます。オイルフィニッシュに用いるオイルとしては、 市販のチークオイルでなくても煮亜麻仁油や、その他のボイル油、油変性ウレタン樹脂塗料などを塗料用シンナーなどで 希釈して用いても代用にはなります。一般には、適度な乾燥性を与え、素材への浸透性を図ったものがチークオイルなどとして 市販されています。

■オイル仕上げを考える
 オイルフィニッシュされた質感の良さは広く認められるところですが、欠点として、塗料の乾燥時間が長いこと、 着色しにくいということがあります、さらに、塗膜強度が低いこと、色やけ (黄変性) を生じ易いこと (注2)、 耐汚染性が良くないなどの点が一般にいわれています。これらのデメリットを持つために、大量生産のラインではほとんど 行なわれることはありません。近年、いろいろなオイルフィニッシュ用塗料が市販されています、しかしその中で、 塗装行程を短縮するために開発されたものはオイルフィニッシュ風にはなっても、本来のオイルフィニッシュの 深みとは程遠いものがあります。やはり、ある程度の工程数を踏んだ、手間暇かけたものでなければその良さは出てこないと 思われます。いくつかの欠点を持ちながらも、入念にオイル仕上げされた塗装面は木材のテクスチャーを生かしきっており、 ナチュラルフィニィッシュとして、この方法にまさる仕上法は他にほとんど無いといってもいいかと思います。 オイルフィニッシュの良さを生かしていくため、もう一度それを見直し、多少なりとも欠点を改善していく必要があります。 そのためには、まずオイルフィニッシュ用塗料の構成要素全般について正しく知る必要があると思われます。



  @塗料の種類(5/6)

●天然樹脂(うるし)


  @塗料の種類(6/6)

●ニス
<★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ XXXXX ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ >
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続きます。ご期待ください。N.Hayashi
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